はじめに
かつて灰皿町ホームページのなかの「日録」を公開するとき、私は以下のように書きました。
さんざん考えた末に、この日付の入ったノートのタイトルは、 「日録、風のなかで話しましょう」とします。
というのは「風」は詩の世界では自由の象徴、変化自在なもの、快い微風・残酷な暴風、便り、風情・風習など良い意味、悪い意味あるいは文化的、情緒的に深い意味に使います。
そのような多様な内容のなかで、私が目にするもの・聞くものを、また私という変数を加えて、皆さんにお話する意味もあります。当然ながら私ごときが何を言おうと、世の中は変わりません。
「どうぞ、風のように私の言葉はお聞き流しにして下さい。」
という謙遜の優雅さも籠められています。 | |
今度、この評論のページを公開するにしても、「風の」意図は変わりません。目にした(耳に聞く)詩集の評・詩論などを収めようと思います。タイトルは、私の若い頃の詩のなかから探し出しました。
帰ろうとする心に何を言い聞かせよう
戻ろうとして立ち止まれば
風吹く音のなかに声が聞こえる
力を増すもの、歌うもの
私の許に降りてくる | |
「帰郷」、詩集「夜桜は散り落ちて」所収
2004H16.10.31 灰皿町公園5番地に所収したものを移設。冨澤守治・パーソナル・ウェブサイト
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